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社会 × ヒト

届けたいのは「希望」。
ケニアの女性の人生を変えるために

アステラス製薬では、保健医療へのアクセス問題の改善に対する取り組みの一環として、2014年からケニアにおける産科フィスチュラ治療を推進する慈善団体「フィスチュラ基金」に資金提供を行っています。

2017年12月12日に、産科フィスチュラの現状を広く知っていただくための講演会を開催しました。

アフリカ諸国で今なお多くの女性が苦しむ「フィスチュラ」とは?

フィスチュラは膣と直腸、または膀胱との間に孔(あな)が空いてしまった状態のことで、尿や便などの排泄物が絶えず身体から漏れ出る原因となります。

原因のひとつとして、数日間にもわたる長い難産があげられます。アフリカを含む開発途上国においては、自宅での出産が多く、緊急時においても救急医療を利用できないことがほとんどです。また、若年出産など身体的に未成熟な状態で出産する女性も少なくありません。その結果、胎児の命が失われるだけでなく、産道に詰まった胎児の頭部が母体の骨盤や膣壁などを強く圧迫し、膣や膀胱、直腸といった周辺の器官への血液の循環が長時間にわたって阻害され続けてしまいます。血行障害によって組織の壊死部分は拡大し、やがてフィスチュラになります。

経験を積んだ医師であれば、フィスチュラの治療を行うことは可能です。しかし、アフリカにはそうした医療を受ける機会に恵まれない地域がまだまだ多いのが現実です。フィスチュラを患うと慢性的な尿・便失禁、皮膚感染や腎臓疾患をまねき、治療をしないままでいると死に至ることもあります。さらに問題が深刻なのは、フィスチュラの女性たちは異臭がするなどといって家族や友人、隣人から距離を置かれ、偏見と差別のもと、孤立と貧困に苦しむケースも珍しくないのです。

フィスチュラは日本を含む先進国では今ではほとんど見られませんが、世界ではサハラ砂漠以南のアフリカを中心として100 ~200万人の女性が罹患しているといわれています。

3年間で3000名以上の女性に手術を実施

講演会では、フィスチュラ基金CEOのKate Grant氏より、フィスチュラの現状と「Action on Fistula」について語っていただきました。

フィスチュラ基金はシリコンバレーの中心地であるカリフォルニア州サンノゼに拠点を置く団体です。ケニアで産科フィスチュラを抱えている女性の生活を改善するため、2014年にフィスチュラ基金がアステラス製薬と共に立ち上げたプログラム「Action on Fistula」では、現地の医師や看護師にトレーニングを施し、また、医療機関の設備を整え、さらには啓発活動を行い、多くのフィスチュラに悩む女性をその苦しみから救ってきました。

「Action on Fistula」は2014年から2017年10月までに以下のような成果を上げています。

  • 産科フィスチュラのケニア人女性3,015名に対して手術を実施
  • 9人(うち6名はケニア人)のフィスチュラ専門外科医を育成
  • 6つの治療センターで常時外科手術を行えるようフィスチュラ治療ネットワークを構築
  • 治療の必要な女性に対し治療を受けることを働きかける大規模な疾患啓発プログラムを実施

Kate氏は「この3年の成果は、ケニアの女性たちにとって大きな変化をもたらしました。フィスチュラの治療を受けた女性たちは、悲嘆にくれる日々を抜け出して人生を再びその手に取り戻すことができたのです。そうした喜びの光景は素晴らしいものではありましたが、同時に、もっと早く治療ができていれば長い間苦しまなくてすんだのに、とやりきれない気持ちにもなりました」と言います。

これらの成果を受けて、フィスチュラ基金とアステラス製薬は「Action on Fistula」の第2段階をスタート。2020年までに以下の活動を行うことをめざしています。

  • さらに2,000名の産科フィスチュラの女性の手術を行い、ケニアにおける産科フィスチュラ治療を拡大
  • フィスチュラ治療ネットワークを8病院まで拡大
  • さらに6名の外科医に対して研修を実施
  • 治療過程全体を通じて女性のサポートを行えるよう、10名のフィスチュラ専門看護師の研修を実施
  • 心理的、社会的、経済的支援をすることで、患者さんの社会復帰を支援する20のサポートグループをケニア全土に構築

フィスチュラがなくなる日をめざして、さらに3年間の協力継続を決定。

アステラス製薬は、フィスチュラ基金に対して資金提供を行うことで産科フィスチュラの撲滅に向けた取り組みを行っています。2014年から2017年までの3年間に150 万ユーロを拠出し、さらに2020年までの第2段階でも資金提供を継続することが決定しています。

アステラス ファーマ ヨーロッパのChristina Chale氏からは、ケニアでの「Action on Fistula」の視察報告を行いました。

Christina氏曰く「ケニアではフィスチュラの治療を受けた女性の話を聞く機会がありました。彼女が着ていたTシャツに書かれていたのは『I am a Fistula Survivor』という文字。彼女は誇りに満ちた様子で、顔はかがやくような笑みで溢れていました」

「フィスチュラが治療可能であること、治療さえすれば元通りの生活を送れるということはケニアの女性にとって大きな希望になります。医療支援はもちろん、そうした助けが得られることを多くの女性、そしてこれから出産をする若い女の子たちに伝えることは、大きな意味を持つことです」とChristina氏は言います。

「Action on Fistula」の本当のゴールは、フィスチュラの治療をする病院がなくなることです。つまり、安全に出産ができる環境が整うことで、フィスチュラになる女性がいなくなることをめざしているのです。先進国に暮らす私たちが当たり前だと思っている状況をケニアの女性たちも享受できる日のために、「Action on Fistula」とアステラス製薬はこれからも努力を続けていきます。

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