保健医療へのアクセス(Access to Health)についての基本的な考え方

満たされていない医療ニーズに対応する技術や医薬品は、今日までに目覚ましい発展を遂げています。しかし、適切な治療方法が存在しないこと、貧困、保健システムの不備、保健医療に関する情報不足が理由で、必要な医療を受けることが困難な状態にある人がいまだに多くいます。

アステラスは、「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念に掲げています。この経営理念のもと、私たちは、革新的な医薬品を研究・開発し、患者さんへ届けることにより、保健医療へのアクセス(Access to Health)の向上に注力しています。また、医療水準の向上が必要とされる地域での様々な支援活動に取り組みます。そのためにグローバルヘルスの改善に貢献できるよう、私たちの強みや技術、専門性を活かせる活動として、イノベーションの創出、入手可能性の向上、保健システムの強化、健康に対する知識・理解の向上という4つを特定しています。
グローバルヘルスの改善への貢献は、保健医療へのアクセスを推進すると同時に、アステラスの企業価値の向上につながると信じています。アステラスはこれらの活動を進展させるために、必要に応じてパートナーとの協働を検討するほか、ステークホルダーと緊密に連携します。

「保健医療へのアクセス(Access to Health)についての基本的な考え方」の詳細については、こちらをご覧ください。

持続可能な開発目標(SDGs)への貢献

持続可能な開発目標(SDGs)はミレニアム開発目標(MDGs)の後継であり、2030年までに達成すべき、17の目標と169のターゲットを掲げています。

<アステラスの取り組み>
アステラスは、事業活動や企業の社会的責任を果たすための取り組みを通じて、国際社会が協調して定めた国連の持続可能な開発目標(SDGs)への貢献を目指しています。

4つの分野で保健医療へのアクセス改善に注力

SDGsの「目標3:すべての人に健康と福祉を」に関しては、 ①イノベーションの創出、②入手可能性の向上、③保健システムの強化、④健康に対する知識・理解の向上という4つの分野を特定して保健医療へのアクセス課題の解決に取り組んでいます。
イノベーションの創出における取り組みの一つに、顧みられない熱帯病(NTDs)に関する創薬共同研究があります。アステラスは2016年4月、従来の共同研究で得た知見をもとに、国立研究開発法人の創出に向けた共同研究契約を締結しました。また同年6月には、東京大学医科学研究所との間で、コレラ、毒素原性大腸菌を対象とする経口コメ型ワクチン「MucoRice-CTB(ムコライス)」に関する共同研究契約を締結しました。さらに、住血吸虫症の治療薬プラジカンテルの小児用製剤開発にもパートナーとともに取り組んでいます。

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熱帯病撲滅のための取り組み

コレラ

コレラは、コレラ菌で汚染された食物または水の摂取によって引き起こされる急性の下痢性感染症です。発展途上国ではコレラや毒素原性大腸菌などの起炎菌が引き起こす下痢症が乳幼児の大きな死亡原因となっています。

<アステラスの取り組み>
アステラスは東京大学医科学研究所とコレラ、毒素原性大腸菌を対象とする経口コメ型ワクチン「MucoRice-CTB(ムコライス)」の共同研究を実施しています。詳細はこちらをご覧ください。

顧みられない熱帯病

「顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases、以下NTDs)」は世界の保健医療においてとりわけ深刻な問題となっています。NTDsは主に発展途上国の熱帯地域、貧困層を中心に蔓延している寄生虫、細菌ウイルス感染症のことで、WHOで焦点を当てている18の疾患群だけで、世界で10億人以上が感染していると言われています。未だ必要な医療を受けることができず、必要な治療薬を入手できないために、人々の生命を脅かす健康問題に留まらず、経済活動の足かせ・貧困の原因ともなっています。

※ ブルーリ潰瘍、シャーガス病、嚢尾虫症、デング熱/デング出血熱、ギニア虫感染症、包虫症、食物媒介吸虫類感染症、睡眠病、リーシュマニア症、ハンセン病、リンパ系フィラリア症、河盲症、狂犬病、住血吸虫症、土壌伝播寄生虫症、トラコーマ、トレポネーマ感染症、マイセトーマ

<アステラスの取り組み>
NTDsに感染し苦しむ患者さんのために、私たちは自社の研究ノウハウやパートナーシップ等を活用した早期の新薬創出に向けた各種取り組みを通じて、世界でNTDsによって苦しむ患者さんのために早期に治療薬が生み出されるよう努めています。
アステラスではAccess to Healthの取り組みをまとめた小冊子を発行しております。「顧みられない熱帯病(NTDs)」に対する創薬共同研究の取り組みや住血吸虫症に対する小児用製剤開発の詳細については、下記資料をご覧ください。

 

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非感染性疾患(Non Communicable Diseases:NCDs)の予防と管理

近年、がん・心血管疾患・糖尿病・慢性呼吸器疾患といった非感染性の慢性疾患(NCDs)が、低・中所得国にも急速に拡大しているため、先進国のみならず世界的な健康課題として位置付けられています。NCDsの対策には、有効な医薬品の研究開発と医薬品アクセス向上の取り組みをはじめ、健康的なライフスタイルや食事などに対する予防・啓発・教育活動も必要不可欠です。

<アステラスの取り組み>
アステラスでは、すでにグローバルでのリーディングポジションとしての地位を確立している泌尿器領域、移植領域に次いで、NCDsのひとつであるがん領域においても積極的にその治療に貢献すべく、数多くの革新的な新薬の開発を進めています。また、さまざまな疾患の予防・啓発・教育活動を支援しています。

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偽造医薬品対策

偽造医薬品は、世界的に重大な保健問題です。有効成分が入っていないことによる治療機会の逸失だけでなく、有害物質が含まれていることによる健康被害も問題点としてあげられます。

<アステラスの取り組み>
アステラスは、患者さんの安全と流通経路における自社医薬品の品質を確保するため、偽薬防止委員会および偽薬の調査・対策等を専門に行う部門を設置し、グローバルな中長期的活動計画のもとで計画的な偽造医薬品防止対策を実行するとともに、偽造医薬品調査とその結果を踏まえた必要な対応を適切に実施しています。
さらに、私たちは製薬会社27社で構成されているPharmaceutical Security Institute(医薬品安全管理協会)に加盟し、製薬業界あるいはWHO等の国際機関と連携し、偽造医薬品防止のための啓発活動の実施や司法当局の偽造医薬品に対する取り締まり等に協力しています。

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技術移転の支援

発展途上国における医薬品の研究開発の促進および必須医薬品へのアクセス向上のためには、技術移転は重要なアプローチです。製薬企業が保有する専門知識、ノウハウ、経験の共有を通じたキャパシティビルディングや、医薬品の研究開発および製造に関わる設備支援など、政府や外部機関・他社と連携した取り組みが期待されています。

<アステラスの取り組み>
アステラスは、これまでマレーシア、タイなどのアジアの発展途上国やサウジアラビアなどで技術移転を行ってきました。2011年よりWHOのTDR(熱帯医学特別研究訓練)プログラムが企画する臨床研究キャリア開発フェローシッププログラムへの協賛支援を行っています。アステラスの米国や欧州の臨床開発部門に研修生を受け入れ、発展途上国の感染症治療のためのキャパシティビルディングを目的とした医薬品の臨床開発に関するマネジメントスキルの職業訓練を提供しています。

2015年10月には、3人目となる研修生を研究開発部門へマリ共和国から受け入れ、2016年9月まで研修を提供しました。

 

WHOのTDRプログラムにおけるアステラスの3人目の研修生
Dr. Etienne dit Anagalou Guirou 氏

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