アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、Auration Biotech, Inc.(本社:米国カルフォルニア州、President and CEO: Benjamin F. McGraw, III, PharmD、以下「Auration社」)が創製したAU-935に関して、全世界における開発・商業化に関する独占的ライセンス契約を締結しましたのでお知らせします。

   アステラス製薬とAuration社は2015年10月にAU-935に関するライセンス契約締結オプション付きの評価契約を締結し、慢性鼓膜穿孔を適応症とする前臨床試験において、良好な結果を確認できたため、アステラス製薬は前述オプションを行使しました。

   鼓膜穿孔とは、中耳炎、耳抜き、鼓膜チューブ挿入術後のほか、外傷などが原因で鼓膜に孔が開いている状態を言います。穿孔は通常数か月以内で自然に塞がりますが、長期間にわたって塞がらない場合、慢性鼓膜穿孔となります。現在は、手術のみが慢性鼓膜穿孔を治す唯一の手段です。

   AU-935は米国スタンフォード大学により創製されたHB-EGF1)を有効成分とするプログラムです。HB-EGFは、増殖因子EGFファミリーに属し、鼓膜再生のプロセスにおいて重要な役割を担っています。AU-935は慢性鼓膜穿孔の治療として、手術に代わる手段として耳内局所投与薬での開発を行っています。

   アステラス製薬は今後、AU-935の開発・商業化を行い、これらに関わる費用を負担します。また、Auration社に対し、契約締結時一時金のほか、開発の進捗に応じた対価を支払います。更に、アステラス製薬は、Auration社に対し、正味売上高に対する一定率のロイヤルティを支払います。

   アステラス製薬は、新薬創出力を一層強化するため、外部機関との連携を図りながら新たな疾患領域、創薬基盤技術にも挑戦し、アンメットメディカルニーズを満たす新規の創薬機会の探索を進めています。本提携はその一環であり、今後も同様の取り組みを強化していきます。

1)HB-EGF: heparin-binding epidermal growth factor-like growth factor(ヘパリン結合性上皮細胞成長因子様増殖因子)

以上

 

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