
製薬メーカーに課せられた使命とは、画期的な新薬の提供を通して病気に苦しむ患者さんの力になることだ。一人でも多くの患者さんを救うこと。これが究極的な存在意義である。とくに今日ではガンやAIDS、アルツハイマーといった難病の克服をはじめ、心疾患や脳疾患、生活習慣病の制圧などは社会的要請でもある。アステラス製薬はこうした要請に応えるために、R&D体制のいっそうの強化に取り組んでいる。筑波、東京、大阪などに研究所、研究開発拠点を設け、創薬から臨床開発にいたるまでのR&D体制を整えており、国内トップクラスの水準にある。さらにポストゲノム創薬では、積極的な提携や関連技術の導入・開発をすすめる一方、独自のバイオインフォマティクス体制、遺伝子機能解析体制を築き上げ、遺伝子と疾患の関係を明らかにする研究に取り組んでいる。
ひとつの新薬が世に出るまでには、長い年月と膨大な費用がかかるもの。だが、他社に先んじてその“果実”を実らせることに成功すれば、インパクトは非常に大きい。アステラス製薬は「選択と集中」によって、戦略的領域・疾患・開発プロジェクトに重点投資。創薬研究では泌尿器と、移植を含む炎症・免疫をフランチャイズ領域(※)に、さらに感染症、糖尿病、癌、中枢の4領域を重点研究領域として、すぐれた新薬の創製をめざしている。
合併した両社の研究領域や技術資産は膨大かつ多様だ。これらを統合することで、R&Dが加速するのは間違いないだろう。たとえば化合物ライブラリーを統合・整備することで探索研究、最適化研究、開発研究に弾みがつき臨床研究につながることが期待できる。遺伝子解析、タンパク解析が融合するメリットも大きい。R&Dにおけるアドバンテージをもとに、さらなる創薬能力の向上をめざしている。
(※)フランチャイズ領域=すでにグローバルレベルで研究から販売まで一貫して高い競争力を確立している疾患領域。
