アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤であるエンザルタミド(一般名、製品名:XTANDI®)について、欧州医薬品庁(European Medicines Agency: EMA)から、転移性ホルモン感受性前立腺がんへの適応追加に関する承認申請を受理した旨の通知を受領しました。今後、EMAで医薬品の科学的評価を担当する欧州医薬品委員会が90日の審査期間において本承認申請内容を評価し、EMAに対し承認の可否について勧告を行います。

 このたびの適応追加の承認申請は、転移性ホルモン感受性前立腺がん患者を対象に実施した第III相ARCHES試験および第III相ENZAMET試験の結果に基づいています。

 すでに公表されている通りARCHES試験において、アンドロゲン除去療法(Androgen Deprivation Therapy: ADT)とエンザルタミド併用投与群は、ADTとプラセボ併用投与群と比較して、主要評価項目である画像診断上の病勢進行のリスクが61%低下しました。(1,150例; ハザード比0.39 [95%信頼区間: 0.30-0.50]; P<0.0001)。また、エンザルタミドの安全性プロファイルは、去勢抵抗性前立腺がん患者を対象としてこれまでに実施した本剤の臨床試験で報告されたものと一致していました。グレード3または4の重症または生命を脅かす有害事象の発現率は、ADTとプラセボ併用投与群の24.7%に対し、ADTとエンザルタミド併用投与群は23.6%であり、両群間で同等でした。

 また、オーストラリア・ニュージーランド泌尿生殖器・前立腺がん治験グループであるANZUPが主体となって実施したENZAMET試験において、ADTとエンザルタミド併用投与群はADTと従来の非ステロイド性抗アンドロゲン剤(non-steroidal antiandrogen:NSAA)併用投与群と比較して、死亡のリスクが33%低下しました(1,125例; ハザード比0.67 [95%信頼区間: 0.52-0.86]; P=0.002)。3年後の全生存率は、ADTとエンザルタミド併用投与群で80%、ADTとNSAA併用投与群で72%でした。観察期間中の有害事象は、前立腺がんの進行ステージ、患者の年齢に関わらず一貫しており,ADTとエンザルタミド併用投与で知られている安全性プロファイルから想定されるものでした。痙攣および疲労の発現率はADTとNSAA併用投与群に比べ、ADTとエンザルタミド併用投与群で高かったほか、有害事象による投与中止例はADTとエンザルタミド併用投与群で多くみられました。

 エンザルタミドは現在、去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として日本、米国および欧州などで販売されています。

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