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臓器移植

2.臓器提供者(ドナー)

脳死・心停止後の臓器提供は、本人の生前の書面による意思表示があって家族が拒否しない場合、本人の生前の意思が不明で家族が書面で承諾した場合に行えます。生体移植の臓器提供者は移植を受ける人の親族に限られます。

脳死とは

脳全体の機能が失われた状態です。薬剤や人工呼吸器などによってしばらくは心臓を動かし続けることもできますが、やがて(多くは数日以内)心臓も停止してしまいます。脳死は世界のほとんどの国で「人の死」として認められています。しかし心臓は動いているため、腎臓や肝臓などの臓器はある程度の働きを維持しています。

これに対して植物状態は、呼吸や血液の循環、意識などを司る脳の中の脳幹といわれる場所が活動している状態で、自ら呼吸できる場合が多く、回復する可能性もあります。

本人とその家族が脳死移植を希望する場合の脳死の判定(植物状態でないことの確認)は、移植とは無関係の2人以上の医師が2回にわたり、慎重に行うことが定められています。

心停止は、心臓、呼吸などが停止した状態で、日本で長い間、一般的に「死」と考えられてきたものです。血流がなくなるため臓器は急速に働きを失います。

脳死と植物状態
脳死と植物状態の図

脳死・心停止での臓器提供

本人の意思が不明な場合でも、家族の承認があれば臓器提供することができます。また、15歳以上の人は書面による意思表示をしておくことができます。
さらに2009年に「臓器の移植に関する法律」の一部が以下のように改正され(施行は2010年)、親族に優先的に提供できる意思を表示できるようになり、また意思が不明な場合でも、家族の承諾があれば臓器提供が可能になりました。

  • 2010年1月17日から
    臓器を提供する意思表示に併せて、親族に対し臓器を優先的に提供する意思を書面により表示できるようになりました。
  • 2010年7月17日から
    ご本人の臓器提供の意思が不明な場合も、ご家族の承諾があれば臓器提供できるようになりました。これにより、15歳未満の人からの脳死下での臓器提供も可能になりました。

この法律の改訂にともない、虐待を受けた児童が死亡した場合に、その児童から臓器提供されることのないように対応することが定められています。
また臓器を提供しない意思については、上記の2にあわせて改正された「『臓器の移植に関する法律』の運用に関する指針(ガイドライン)」で、年齢にかかわらず、また書面の有無にかかわらず有効である、とされました。

さらに、国及び地方公共団体は、国民があらゆる機会を通じて移植医療に対する理解を深めることができるよう、死亡した後の臓器提供の意思の有無を、運転免許証や医療保険の被保険者証等に記載することができるようにするなどの対策を行うことも定められています。

臓器提供の意思は、インターネットで意思登録をするか意思表示カード・シール、健康保険証の意思表示欄などで示すことができます。これまでの意思表示カードなどは、今後も有効です。

※「『臓器の移植に関する法律』の運用に関する指針(ガイドライン)」では、臓器を提供する旨の書面による意思表示(親族に対し当該臓器を優先的に提供する意思表示を含む。)の有効性を、年齢等により画一的に判断することは難しいものの、民法上の遺言可能年齢等を参考として、15歳以上の者の意思表示を有効なものとして取り扱っています。

生体移植での臓器提供

生体移植の臓器提供者は、他の人から強制されない自発的な意思で臓器提供を希望する人でなくてはなりません(臓器提供者が謝礼を受け取ることは、臓器移植法によって禁じられています)。
このため、現在、臓器提供者は、移植を受ける人の親族(6親等内の血族と3親等内の姻族)に原則として限ること、また、提供者の意思であることを慎重に確認することなどが日本移植学会の指針として示されています。
また、手術に伴う危険性などから、臓器提供者の健康状態が慎重にみきわめられます。


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