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糖尿病とは、血糖値の高い状態が続き、全身のさまざまな臓器に影響が起こる病気です。

糖尿病は、血液の中のブドウ糖(グルコース)の濃度(血糖値)が高い状態(高血糖状態)が続く病気です。放っておくと、さまざまな臓器に合併症が起こる危険性が高くなります。その名前から糖尿病とは、「尿に糖が出る病気」と思われていることがありますが、尿に糖が出ることは血糖値が高いことのひとつの現れであって、本当に問題なのは血糖値が高いことです。尿に糖が出て、体内の糖が失われてしまうのではなく、血糖値が高すぎて尿にまで糖がたくさん出てしまうことが問題です。

私たちは、毎日の食事で、さまざまな栄養素を体の中にとり入れています。このうち、米やパンなどに多く含まれる糖質(炭水化物)は、小腸でブドウ糖に分解されて、血液の中に吸収されます。また、タンパク質や脂肪などの栄養分も分解されて、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)を高めます。
この血糖値は、体の中の「インスリン」というホルモンの作用で、ほぼ一定の値に保たれています)。この血糖を調節する仕組みがうまく働かなくなり、血糖値が高い状態(高血糖状態)が続くようになってしまうのが糖尿病です。

血糖値が高くても、最初のうちは、ほとんど症状を感じることはありません。しかし、血糖の高い状態が続くと、のどの渇き、疲労感、多尿・頻尿などの症状が現れるようになり、次第に全身の血管や神経が傷ついて、全身のさまざまな臓器に影響が起こってきます。
逆に、糖尿病になっても、食事療法や運動療法、薬によって血糖をきちんとコントロールできれば、症状をなくし、合併症を予防できます。
糖尿病は、血糖値とHbA1c(エイチビーエーワンシー)の値、症状を調べて、その結果から診断されます。 空腹時に測定した血糖値(空腹時血糖値)が126mg/dL以上、ブドウ糖を飲んだ2時間後に測定した血糖値(ブドウ糖負荷試験2時間値)または食事の時間に関係なく測定した血糖値(随時血糖値)が200mg/dL以上のいずれかに当てはまる場合、これを「糖尿病型」といい、2回以上みられた場合(または糖尿病型の数値1回と、よくみられる糖尿病の症状などがある場合)に「糖尿病」と診断されます。
血糖値が正常な「正常型」と、糖尿病型との間には「境界型」と診断される方がいますが、これは糖尿病になりつつあるか、もうすでに糖尿病になっている可能性があります。それを確定するためには、ブドウ糖負荷試験などの検査が必要です。

下記の(1)〜(3)のひとつでも当てはまれば「糖尿病型」と判定します。
別の日に再検査して「糖尿病型」であることが再確認されれば、糖尿病と診断します。
ただし、下記の(1)〜(4)のどれかが当てはまる場合には、1回の検査が「糖尿病型」であれば糖尿病と診断されます。
日本糖尿病学会編:「糖尿病治療ガイド2008-2009」2008,p18(文光堂)より一部改変
糖尿病は、大きく分けて次の2つのタイプに分けられます。
インスリンを作るすい臓のランゲルハンス島が働かず、インスリンが全く(またはごくわずかしか)作られなくなっているタイプの糖尿病です。原因ははっきり分かっていませんが、ウイルス感染などをきっかけに起こることもあります。
日本ではこのタイプの患者さんは少なく、全体の数%程度です。小児期に発病する方が多いという特徴がありますが、中年になってからこのタイプの糖尿病が起こる方もいます。

すい臓から分泌されるインスリンの量が少なかったり、インスリンの働きが悪くなったりしている場合に起こる糖尿病で、日本の糖尿病患者さんの95%以上がこのタイプです。
このタイプの糖尿病になる原因は、遺伝的に糖尿病になりやすい体質と、食べ過ぎや運動不足、肥満、喫煙、飲酒、ストレス、年をとることなどさまざまなことが関わっているといわれています。

中高年に多いタイプの糖尿病ですが、食生活の変化などにより、小中学生の間にも患者さんが増えていることが問題となっています。
この2つのタイプの糖尿病の他に、他の病気や特定の薬の影響で起こる糖尿病、妊娠をきっかけに起こる糖尿病(妊娠糖尿病)もあります。
